海外の大学院で開講されている学位の種類
海外大学院で開講されている様々な学位について詳しく知ろう!
海外には現在600程度の専攻があると言われており、勉強したい内容が決まっている方でもその内容がどの専攻に当てはまるのか分からず専攻選びには時間がかかります。またその多岐に渡りますので、下記に詳しく解説させて頂きます。
Master of〜
通常のマスターコース(修士課程)です。通常Master‘of〜として〜の部分に専攻名が入ります。 Master of Economics、Master
of InternationalRelations等です。北米に多く、通常卒業まで2年間を要するコースが多いのが特徴です。またMaster
of Literature やMaster of Biology 等文系にも理系の学位にも使用しますが、全て修士課程のコースとなります。こういったコ−スは通常コースワークのスタイルをとっていますので、教授の授業を履修し、定期的にテストを受け、パスすることで進んでいきます。日本の大学院のようにリサーチペースでコースが進むわけではありませんので、そのような研究中心のコースを想像していると大きく異なります。
Master of Arts (MA)
直訳すると文学修士号、学術修士号となりますが、文学系の学位にのみ使用するわけではありません。通常、北米、イギリス、オセアニア等ほとんど全ての大学院で目にすることになる学位です。直訳すると文学修士号となりますが、通常は文系学位の総称として使用されています。そのためMA
in〜と〜の部分に専攻名が入り、MA in International Relations、MA inTeaching English
as Second Language 等ととして使用されています。こちらの学位も上記と同様に通常リサーチペースのコースではありません。
Master of Science (MS, MSc)
通常理系の修士課程に与えられる学位の名前になりますが、北米とヨーロッパ及びオセアニアで異なります。北米では略してMSと総称され、BiologyやPhysicsといった主に自然科学系学位の総称となります。通常MS
in Biology やMS in Physics というようにMSの後に専攻名が付き、修士課程の学位名となります。またMSの学位名が付いていると必ず自然科学系の学位かというとそうではなく、心理学やマーケティング学といった統計学や数学と関連したクラスを履修する内容であれば文系でも幅広く提供されることになります。
一方、ヨーロッパやオセアニアではMScと総称されることが多く、こちらは理系中心の学位の総称ではありません。 MSc in Management
やMSc International Business といった文系の学位にも幅広く提供される学位名で、MScと付いていたからといって特に理系色が強いコースというわけではありません。
ここまでのMaster of-、Master of Arts (MA)、Master of Science (MS, MSc)は出願コース検討の際はそれほど意識する必要はありません。上記のように留学先の国によって捉え方と卒業期間は多少異なりますが、今ではほとんど違いがないのが現状です。ただこれから紹介するコースはコース名だけでなく内容に関しても非常に特徴があるので注意が必要です。
Master of Fine Arts (MFA)
こちらは主に北米、ヨーロッパ、オセアニアで幅広く提供されている学位で、主に芸術系学位につけられる名前になります。MFA
in Drama、MFAinArt Administration 等通常MFAの後に芸術系の専攻名が入り。卒業まで3年程度の期間を要します。また、このコースはArt系の中でもとても実践的なものになりますので、出願の際にポートフォリオ(作品集)等の提出や、美術系大学の学士号、専攻に関連した職歴等を要することが多いのが特徴です。
Master of Research (MRes)
こちらの学位は通常Master of Researchの後に専攻名が付き、リサーチ中心(研究中'b)の学位となります。イギリス等で多く開講されている学位で、北米ではほとんど馴染みがありません。この学位はリサーチ中心となりますので、コースワーク(クラス履修)はほとんどありません。
Doctor of Philosophy(PhD)
皆さんにも馴染みあるPhDのコースです。日本では博士課程と呼ばれています。こちらは大学院最高学位となり、リサーチ中心のコースになります。ただ北米ではMAやMSのコースとPhDコースが合体しているものもあり、その場合は最初の1〜2年程度は授業履修スタイルで進み、その後リサーチ主体のコースになります。北米だとPhD終了までは4〜6年程度、またイギリス等ヨーロッパ、オセアニアでは3年程度になります。
Postgraduate Diploma (Certificate)
こちらは上記のような学位と違い、皆さんにはほとんど馴染みのない学位だと思います。イギリス、オーストラリア、ニュージーランド等で開講されている学位で、北米ではほとんど開講されていません。北米で開講されていても意味や学位のレベルが異なりますのでご注意ください。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドで開講されているPostgraduate
Diploma(Certificate)の学位は通常Bachelor (学士号)とMaster (修士号)の間の学位になり、Bachelorから専攻が変わるため(またアカデミックバックグラウンドが足りないため)等の理由で直接Masterのコースに入学できない場合にPostgraduate
Dlploma(Certificate)コースの履修を要求されるケースがあります。
Pre-Master
このコースはイギリスの学校で開講されているコースになります。また厳密にいうと大学院で開講されているコースではありません。
Pre-Masterコースは通常「大学院留学準備コース」と呼ばれ、イギリスの大学付属英語学校で開講されている大学院留学生の準備コースになります。
勉強する内容は学術的英語が主になります。大学院を目指す留学生専用のコースとなりますので、生徒は留学生のみになります。また主な目的は大学院入学後に必要な学術的英語力向上となっています。このコースで最も注意しなければいけないこと
は、通常このPre-Masterコースを卒業しても大学院に入学できる保証はなく、また英語力がある程度備わっている方は大学の授業等一部履修することができますが、大学院に直接入学することが難しいアカデミックバックグラウンドを補ってくれることはないということです。
つまり、大学で心理学を専攻していない方がこのPre-Masterに入学しても心理学の大学院に入学できるということはないということです。大学院へ入学するために必要なアカデミックバックグラウンドを補うためにはPostgraduate
Diploma (またはPostgraduate Certificate)に入学する必要があります。またこのコース終了時に大学院へ入学できる保証があるわけではありませんので、あくまで英語コース十α程度と考えておいた方が無難です(海外大学院の中には非常に稀ですがこのPre-Master終了を大学院の入学条件に設定している学校もあります)。
以上のように皆さんが目指すコースがどういったスタイルのコース(研究中心?クラス履修中心?)で、卒業までの期間はどの程度なのか、またどのレベルの学位にあたり、世界でどのように認知されているのか、という点についても詳しく調べる必要があります。
- 大学院留学10のステップ
- 1. 大学院留学を思い立つ
- 2. 大学院留学の目的を考える
- 3. 出願までのスケジュールを決める
- 4. 海外大学院で学ぶ内容を考える
- 5. 学校リサーチを開始する
- 6. 入学条件リサーチを開始する
- 7. 出願校を決める
- 8. 出願書類を作成する
- 9. 出願
- 10. 合否確認と入学手続き