コース紹介ページからカリキュラムを正しく確認することが非常に重要です。
将来のキャリアゴールが決まっている方、また海外大学院で学びたい内容が決まっている方、またはこれから海外の大学院で学ぶ内容を決めようと思っている方、様々な方がいらっしゃると思いますが、ここでは海外の大学院で開講されているコースの具体的な見方、カリキュラムの確認方法について解説したいと思います。

Overview (コース概要)

まずはコースのOverviewと言われる「コース概要」についてです。通常ここではコースの幅広い解説がされます。例えば、コースの目的、対象、卒業までの期間やスケジュール、そして卒業までの取得単位数などです。

ここで重要なポイントは2点あります。

1つ目は、「このコースがどういった方のために開講されているのかコースの対象者)」という点についてよく読み取ることです。例えば「関連した職歴等を持っていない、または職歴が3年以下と浅い方のためのコース」、または「関連した職歴を平均3年程度以上持っているミッドキャリアの方向けのコース」等、このコースの対象者についての記載があります。

いずれにしても、どのコースも対象を決めずに開講することはありえませんので、コースの対象者についてまずは明確に理解し、ご自身がそれに当てはまるのか、という点について確認する必要があります。

次にコースの目的について確認することです。大学院のコースは、「将来~のようなキャリアを築くための人材を育てるためにこのコースを開講する」といった具合に、卒業後のキャリアを見据えコースを開講しています。そのため、通常コース概要には「このコースは~のようなキャリアを目指すためのコースです」または「このコースの卒業者は通常~のようなキャリアを築いています。」という記述があります。

ここで皆さんが例え魅力的なコースを見つけたとしても、そのコース修了者のキャリアと皆さんが目指すキャリアが異なるようであれば出願コースの再検討をする必要があります。

このように、まずコースの「対象」と「目的」を理解し、ご自身のご希望に沿っているか確認することが重要となります。

Core Class (必修科目)

日本の大学でも馴染みある必修科目、そのコースに入学したら必ず履修しなければならないクラスのことです。北米では通常Core Classと呼ばれ、イギリス、オセアニア、ヨーロッパ等ではCompulsory Classと呼ばれることが多いのが特徴です。

必修科目を確認する際重要なことは2つあります。1つ目は「学びたいクラスがあるか」、「学びたくない、または学ぶことができそうもないクラスはあるか」、そして2つ目は「基礎的なクラスがどの程度含まれているか」という点について確認するといいと思います。

まずは1つ目の「学びたい内容が含まれているクラスがあるか」といった点についてですが、これは当たり前のことですが、必ず確認しましょう。なぜなら海外の大学院は同じコース名でも学ぶクラスや内容が大きく異なることも多々あるためです。また、特に「学ぶことが難しいクラスが含まれていないか」ということも確認することが重要です。なぜなら、例えばマーケティングやコミュニケーション学といった学問は、一見すると文系の学位に見えますが、コースによっては統計学やマクロ/ミクロ経済学、微分積分学など、高度な数学スキルを要求するクラスの履修を義務付けていることがあります。

大学で学んだことや現在までの学術的なバックグラウンドから、学ぶことが非常に困難なクラスが必修科目に含まれていると、せっかく入学しても進学することが難しくなり、結果退学という最悪の結果を招いてしまう可能性があります。

次に2つ目、「基礎的なクラスがどの程度含まれているか」という点についてですが、こちらは皆さんのバックグラウンドによって大きく異なります。もし皆さんが大学時代の専攻や職務経験と異なる分野のコースに進学を希望される場合、必修科目でその分野の基礎的なクラスが多く含まれていないと入学後非常に厳しいことになります。通常、選択科目はさらに専門性が含まれるコースになりますので、必修科目で皆さんのアカデミックバックグラウンドに応じて必要な基礎科目を学ぶことができるコースを探す必要があります。

一方、進学する大学院で入学するコースと関連した分野を大学時代専攻していた方、または関連した職務経験をお持ちの方の場合は逆に基礎的な科目が必修科目に多く入りすぎていないかの確認が必要です。

Elective Class (選択科目)

次に選択科目ですが、通常海外の大学院では、コースが開講されている学部内のクラスのみ履修可能な場合と、学部をまたいで他の学部のクラスを選択クラスとして履修できる場合があります。

通常、イギリスやオセアニアは、学部内で開講されているクラスに選択科目を限定していることが多いですが、北米や欧州の大学院では学部をまたいで履修できることも多く、選択科目では他の学部のコースの学生と一緒になることもしばしばあります。選択科目を見るうえで大事なことはこのようにどの程度の幅の選択肢の中から自由に選ぶことができるのか、という点が非常に重要になります。

また、特に北米では修士論文やインターンシップも選択科目となっていることもあり、選択しないと修士論文も作成しなくてもいい場合もあります。北米の場合は通常卒業までに履修するクラスの中で必修科目が3分の1程度、イギリスやオランダなど一年で修了するコースでは必修科目の方が選択科目より多い場合もあります。そのため選択科目として数多くの選択肢があったとしても、履修できるクラス数、単位数等も確認する必要があります。

もう一つ重要なことは、イギリスやその他欧州などの卒業に修士論文の作成が課されている場合、研究テーマとして希望している分野が選択クラスにあるか確認することをお勧め致します。通常、「選択クラスの幅=修士論文の選択できるテーマ」であるケースが多いためです。

Concentration (副専攻)

昨今海外大学院のコースの特徴として、副専攻を選ぶことができるということが挙げられます。通常「Concentration、Area of Interest、Specialization」等と呼ばれ、主専攻の中でさらに副専攻を選ぶことができます。例えばMBAでは1年目に経済学、財務学、会計学等ビジネスの基礎知識を体系的に学んだ後に、2年目に副専攻としてマーケティング、人材管理学、情報管理学、広告学、スポーツビジネス等副専攻を選びさらに深く学ぶことができます。


副専攻を選べる利点は、興味のある分野に関してさらに深く学ぶことができるということもありますが、入学時に明確に専門分野が絞り切れていない方にも効果的に働きます。例えば開発学は学びたいが専門分野は開発学を体系的に学んだ後に決めたい方、そういった方の場合まず1年目に開発の歴史や概論、リサーチメソッド等を学び、2年目に経済開発、教育開発、環境開発、衛生開発といった専門分野をさらに深めていくことが可能です。この副専攻は設定されているコースとないコースがありますので、注意が必要ですが、通常北米など約2年間のコースに設定されているケースが多いです。

Master Thesis (修士論文)

上記でも述べたように、通常イギリス等ヨーロッパの大学院では修士論文の作成は必修科目として課せられることになります。ただ北米の大学院で開講されているマスターコースの多くは、卒業までに2年かかるものが多いわりに、修士論文を課すコースは少ないのが現状です。

カナダなどでは最初から修士論文作成コースとそうでないコースが分かれていたり、修士論文が選択方式になっている場合もあります。論文を作成しない場合は、代わりにその分の単位数のクラスを履修し、卒業することができます。ただ日本の修士課程は通常論文を作成しますので、日本で研究職を希望している場合、または日本の大学院で博士課程を履修したい場合は、修士論文を作成できるコースを選ぶ必要があります。