大学院留学を目指す皆さんの中には、「とりあえずTOEFL始めました。」という準備を行っている方が多いのではないでしょうか?そういった皆さんの多くは、TOEFLでハイスコアを取得することで海外のトップスクールに入学できると勘違いされています。
TOEFL・IELTSスコアは合否判定の重要な要素ではない。
通常海外の大学院ではTOEFLまたはIELTSのスコアはあくまで「足切り」として設定しているだけで、必要スコアを取得し初めて審査をしてもらうことができる、ということに過ぎません。
特に「大学院留学を検討したらまずTOEFL、TOEFLのスコアがないと話にならない、TOEFLのスコアが何点あればどこそこの学校に行ける」等、
TOEFのスコア=入学できる大学院のレベル
と考えている方がいますが、これは大きな間違いです。もちろん北米の大学院ではTOEFLやIELTSのスコアが必要スコアより高いとそれなりに評価をしてくれる大学院もありますが、それでも合否に大きく影響するものではありません。
TOEFLやIELTSのスコアはあくまで母国語ではない英語という言語で勉強することができるか否かを測るテストです。そして出願必要スコアはあって当たり前のもの(条件付き合格を提供している学校では出願時に必要ですらないもの)であり、学力や出願者のポテンシャルを測るような合否の判断材料になる大きな要素ではないということを覚えておくことが必要です。
さらに昨今では、Holistic Admission(全体審査)の姿勢を強調している学校も増えてきており、TOEFL/IELTSの足切りさえもなくなってきている傾向もあります。
通常海外の大学院では入試がないため、ほぼ全て書類選考で合否が決まります。その際必要になる書類やスコアがどのように合否を判断する要素になるか下記に簡単に解説しておきます。

| 出願書類 | 目的 |
| TOEFL/IELTSスコア | 出願者の足切り材料、条件付き合格を提供している場合は出願必要最低スコア以下でも問題ない。 |
| GMAT/GREスコア | 学力を測る重要な要素(イギリス及び欧州などを中心に要求されない場合は提出する必要はない)。 |
| 大学の成績証明書 | 学力及び学術的実績を測る重要な要素。 |
| エッセイ/履歴書 | 様々な実績や将来のポテンシャルを測る重要な要素。 |
| 推薦状 | 様々な実績や学力などを客観的立場から証明する重要な要素。 |
海外大学院はTOEFLの代わりにIELTSで受験が可能。
大学院留学をしたいならまずTOEFL、TOEFLがないと大学院留学できません、というようなことを平気で大学院留学希望者へアドバイスしている留学経験者、留学カウンセラーも後を立ちません。
実際にそうなのでしょうか?
2000年頃は確かにそうでした。条件付合格制度やIELTSなんていう単語はほとんど聞いたことがありませんでした。大学院留学に関する情報もほとんどありませんでしたので、必然的にまずTOEFLを勉強するというのが大学院留学の最初の準備でした。
ただ今は違います。大学院留学を取り巻く現状は刻一刻と変化しています。現在では非常に難易度の高いTOEFLの代わりに、IELTSというテストを受験することが可能です。そしてそのTOEFLとIELTSの関係性も非常に複雑なものになっています。

TOEFL or IELTSは相性の違いで難易度が異なる。
現在アメリカ、カナダといった北米から、ヨーロッパやオセアニアの大学院で幅広くIELTS、TOEFLを選択できます。昨今では北米のトップスクールもほぼ全てIELTSを受け入れています。ではTOEFLとIELTSどちらが簡単なのでしょう。
IELTSの方が大幅に難易度が低い、という時代が長く続きましたが、2026年1月のTOEFLの大幅なテスト内容の改訂により、その常識は覆りました。TOEFLの受験時間や難易度が大幅に緩和されたため、現在ではその難易度は五分五分といったところだと思います。
ではどちらを選択すべきか、それは皆さんの得意・苦手分野とテストの相性に依存します。リーディングよりリスニングが得意、対面よりコンピューターに向かってしゃべるのが苦手、といろいろな相性があると思いますので、必ず模擬テストを受験し、相性の合ったテストを選択する必要があります。
「大学院留学を思い立ったらまずTOEFL対策!」という古い考えは捨て、TOEFL or lELTSという認識を常に持ち、どちらの対策を行うのが有利か注意深く検討しましょう。

TOEFL or IELTSの選択は留学成功の重要なカギ。
ただ、例えば相性的にIELTSがより有利だと考えたからといって、単純にIELTSを選ぶほうが得策かというと実はそうでもない場合があります。というのも通常海外大学院の要求スコアは各学校ではなく各コースによって異なります。
そして海外の大学院で要求するスコアは正しいテスト相関表と異なることが度々起こります。それは各大学院が各コース毎に出願者に要求するスコアを設定、公表しているからです。
下記の例をご覧ください。
イギリスA校:TOEFL100 or IEL TS6.5
イギリスB校:TOEFL90 or IEL TS6.0
イギリスC校:TOEFL100 or IEL TS7.5
アメリカA校:TOEFL80 or IEL TS6.5
アメリカB校:TOEFL93 or IEL TS7.0
アメリカC校:TOEFL100 or IEL TS7.0
以上を確認頂いて分かる通り、難易度を考えた時に正しく必要スコアを設定している学校はアメリカのC校のみとなります。
もちろん上記は一例ですが、こういった現象が現在世界の大学院で起こっているのです。ではIELTS or TOEFLという問題に戻りますが、仮にIELTSのほうが相性的に向いているからといって、アメリカA校を出願する時でも迷わずIELTSのほうがいいと考えるでしょうか?また、イギリスA校でTOEFLを選ぶことほど効率の悪い方法はありまぜん。先にも述べたようにどちらのテストを選ぶか、ということが皆さんの大学院留学が成功するか否かを決定づける非常に重要な要素です。
「とりあえずTOEFL対策はじめました」というスタートは、自ら進んでスコア取得難易度の高い選択肢を選んでしまうリスクを抱えることになります。また、上記の例のように国をまたいで学校選びをすれば、より有利な条件を見つけられるメリットがあることも忘れないでください。

