もちろん大学院留学を目指す際、高い英語力(TOEFL/IELTSハイスコア)はあるに越したことはありません。ただなければ絶対に留学できない、ということはありません。ここでは「高い英語力がないと絶対に留学ができない。」という間違った認識を覆す情報をご提供しています。

条件付き入学制度を効率よく利用する

英語力がない方、または自信のない方は英語力のせいで大学院留学を諦めるケースが多くあります。その場合は特に下記2点が大きな問題なようです。

1、TOEFLまたはIELTSでハイスコアを要求される。
2、そのハイスコアを入学から約一年前に取得しなければならない。

通常北米では出願締切りを入学の約10ヶ月前に設定している学校も多く、その場合は入学の約一年前に受けたテストスコアで出願する必要があります。

そのため、TOEFLやIELTSのテスト対策に約1年要する方の場合、入学の約2年前から準備を始める必要があるということになります。もし新卒で入学したい場合は、大学3年時から準備を開始する必要があることになりますし、社会人の方は多忙の中約2年後の入学に向けて準備を開始する必要があることになります。

皆さんの中で、2年後に生活環境や価値観が変わっていないと断言できる方は少ないのではないでしょうか? 2年もあればそれなりに社会的ポジションも変わり責任や価値観も変わるでしょう、そんな中でモチベーションをキープし、変わらず努力をする必要があるわけです。しかも出願校等が決まっていなければ目聴もなく闇雲にテスト対策を日々行うことになります。

こうした状況が英語力のために大学院留学を諦めてしまう大きな原因の1つではないかと思います。そういった事態に陥らないために英語力に自信がない方、また仕事が忙し い、また様々な理由で英語の勉強ができない方、そんな方は闇雲にテスト対策を行う前に「条件付合格制度」を検討してみてください。

条件付き合格とは、英語力以外の出願書類(大学の成績証明書、エッセイ、推薦状等)で審査をし、合格の場合は、入学までに入学に必要なテストスコアを取得することを条件とした合格証明書が発行されます。その後TOEFLまたはIELTS対策を進め、入学までに入学必要スコアを取得すれば大学院に入学することができます。

条件付合格制度とはその名の通り英語の条件が付いた合格をもらうことができる制度です。つまり出願時にTOEFLまたはIELTSスコアを提出する必要がないということです。例えば出願希望コースのIELTSの入学必要スコアが7.0だったとしても、5.0や5.5といった7.0に届かないスコアで出願することが可能です。

留学先条件付き合格制度を持っている大学院
アメリカ限られた一部の大学院
(学校単位ではなくコース単位で条件付き合格を提供している)
イギリスほぼ全ての大学院
(数校を除いて全ての大学院で条件付き合格を提供している)
オーストラリア全ての大学院
(グループ8を含む全ての大学院で条件付合格を提供している)
ヨーロッパ限られた一部の大学院
(他国と比較すると低いスコアで入学可能な学校が存在する)

条件付合格制度のリスクを理解する

ここまで条件付き入学のよいところばかりを話してきましたが、やはりおいしい話にはリスクがあるものです。条件付合格には大きく分けて2つのリスクが存在します。

リスク1:入学までに必要なスコアが取得できず結局入学できない

ここまで読まれた皆さんは結局ハイスコアを出さないと入学はできないんですよね、とご懸念を抱かれたと思いますが、それは事前英語研修(約3か月程度)に通うことで回避することが可能です。

そのための方法は留学先や学校によって異なりますが、通常下記のような方法をとることが可能です。

1、条件付き合格を取得した大学院の付属英語学校で開講されている、修了後確実に大学院に入学できる英語コースに入学する

2、条件付き合格を取得した大学院の付属英語学校で、一定のレベルに達したら確実に大学院に入学できる英語学校に入学する

例えばIELTS7.0といったようなかなりのハイスコアを求める大学院でも、条件付き合格取得後に大学院付属の英語学校で約10週間英語コースに通うことで、6.0まで下げてくれるようなシステムを持っている大学院が数多く存在します。

この時に留意しなければいけないことは、「語学学校に行き損にならない。」ということです。条件付き合格取得後に英語学校を進められることも多いですが、そこで英語学校卒業後に確実に大学院に入学できる学校、コースを選択することが最も重要となります。

リスク2:条件付き合格に固守するあまり無名校や非政府認定校に入学してしまう

英語力に自信がないため、条件付合格を提供している学校に限定し過ぎてしまい、無名校や非政府認定校等に入学してしまうケースが見られます。

もちろん条件付合格を提供している学校が全て無名校、レベルの低い学校ということはもちろんありません。ただ無名校や人気のない学校が条件付合格を売りに留学生を集めているという現状はどうしても否定できません。そのため、留学先(国)を限定せず幅広く検討することで条件付き合格を提供しているトップスクールに出願できるにも関わらず、それを知らずに制限された選択肢の中から出願校を選んでしまうこともあるということです。

【英語力がない方が無名校に入学してしまう仕組み】
1つは各種留学エージェントの運営方法にあります。

留学エージェントの多くは、特定の提携学校から受け取るマージンでオフィスを運営しています。これは特定の海外の学校と代理店契約をすることにより、送りだした学生数に応じて授業料の一部をコミッションバックとして学校からもらうことのできるシステムです。

もちろんこういった提携は決して悪いことではなく、企業と学校が信頼関係で結ばれている証拠ですので、もし出願希望校と提携関係を結んでいる企業があればそういった企業に出願を任せるのは得策と言えます。ただ問題なのは、残念ながらアメリカ、イギリスなど100%全ての大学院と提携関係を結べている企業はないということです。

学校と代理店契約を結び、提携校からオフィスの運営費をもらうということは、その学校の代理店となり日本で生徒を募集しているということになります。そのため留学エージェントにより提携先の学校が変わりますので、皆さんに紹介できる学校も変わるということです。

ある企業ではイギリスの提携校は多いけれどオーストラリアの提携校は数校だったり、別の企業では提携校がイギリスの学校限定、もしくはオーストラリアの数校限定だったりというのが現状です。そのため皆さんがどの留学エージェントに相談に行くかによって紹介される、薦められる学校が変わってしまうのです。つまり、イギリスの大学院に限定している支援企業に相談に行けばイギリスの大学院、オーストラリアの数校のみ提携校としている留学支援企業ではその提携校であるオーストラリアの大学院を強く薦められることになるでしょう。

学校と代理店契約をしている留学支援企業に相談し、出願代行を行ってもらう、サポートを受けること自体はまったく問題ありませんし、無料でサポートを受けられる場合もありますので是非利用して頂ければと思います。

ただ問題なのは提携関係の学校を紹介、薦められることにより皆さんの選択肢が限られてしまう可能性があるということです。つまり、もし皆さんが一切ご自身で留学準備をせずに留学支援企業に相談に行ってしまうと、皆さんが知ることのできる選択肢はその留学支援企業に依存する可能性が高いということを是非ご留意頂きたいと思います。