卒業後の自分を想像し、コースを決める!
今まで海外大学院で開講されているコースの種類、コース内容の見方について解説してきました。いよいよここからはどのようにして出願するコースを探すのか、という点について話を進めていきたいと思います。出願するコースの選び方はいろいろありますが、大きく分けると、「①大学の研究を継続するためのコース」、また「②将来のキャリアアップのためのコース」、そして「③キャリアチェンジのためのコース」に分けることができると思います。ここではそれぞれの出願コースの探し方について解説します。

大学の研究を継続するためのコースの選び方

大学の研究を続けたい、深めたい、またはさらに違うアプローチから研究したい、といった理由で留学される方のためのコースの選び方を考えてみましょう。

普通に考えれば大学時代の研究を続けるうえで最も効果的なコースを探すだけなのですが、海外の大学院には600を超える専攻が存在すると言われ、なかなか勉強したいコースを探すのは難しいのが現状です。

そのため、海外の大学院で最も興味ある専攻を探す一番確かな方法は、興味のある学部から探していくことです。先にも述べましたが、海外の大学院は同じコース名でも内容が異なったり、開講している学部によって専門性や出願条件等が大幅に変わります。そのため、まずは興味のある学部から探すのが一番確実ではないかと思います。

興味あるコースを多く開講している学部が見つかったら、その後はできるだけ興味のありそうなコース(専攻)を国や学校、公立、私立等こだわらずにまずはできるだけ数多く見ていくことが重要です。

そうすると興味のありそうなコース内容であっても、国によって、学校によって、学部によってコース名が異なっていたり、例えコース名が同じでも卒業までの期間、履修クラス、副専攻等が大きく異なることが分かると思います。

そしてそれから注意深くリサーチを続け、一番興味のあるコース(専攻)を国をまたいでリサーチする作業に移ります。

キャリアアップに貢献するコースの選び方

キャリアアップのために大学院留学を目指す方の専攻選びは、さらに細心の注意が必要になると思います。キャリアアップのための出願コース(専攻)選びは、現在まで行ってきたキャリアバックグラウンド(職歴)が最も活きる専攻を選ぶべきです。しかしその際注意しなければならないのが、大学時代の専攻や成績です。

既にキャリアをお持ちの方が大学院留学を目指す場合、仮に関連経験を10年以上お持ちでも、大学時代の専攻や成績は問われるものです。もちろんある程度の関連職歴があるため学術的な出願条件を免除してくれるケースもありますが、(関連職歴の有無に関わらず)通常大学時代の専攻や成績によって入学できない専攻があることは意外と知られていません。

例えば日本で心理学出身者ではない方が心理的ケアの業務を長年経験されていて、臨床心理学で大学院留学を目指す場合、例え関連する職歴を数年お持ちでも入学は難しいのが現状です。また、既に企業の会計課等で会計のお仕事を長年されていて、会計学で大学院留学を目指す場合も大学で会計学を学んでいた経験を要求されるケースがあります。つまり、関連職歴で学術的バックグラウンドを補うことが難しいケースが多々あることにご注意頂く必要があるということです。

※2026年最新情報:心理学については、昨今のその人気に応じて、大学時代の専攻を問わず入学できるPsychology(心理学)のコースが増えてきています。

キャリアチェンジに貢献するコースの選び方

一方、キャリアチェンジのために大学院留学される方は、(特に大学の専攻が大きく出願基準に絡んでくる大学院留学においては)、「キャリアチェンジしたい分野」と「大学時代の専攻」が関連しているケース、または関連していないケースと、分けて考える必要があります。前者の場合、関連があるケースは比較的問題なくキャリアチェンジのための留学を進めることが可能だと思います。

一方後者(関連がない場合)は注意が必要です。キャリアチェンジのために留学をする場合、おそらく現在までの職歴と関係ない分野にチャレンジするわけですから、必然的に出願できるコースは「関連する職歴を要求しないコース」に限定されることになります。そのため、後者の場合は、「関連する専攻」及び「関連する職歴」の両方を要求していないコースを探す必要があるということです。

海外の大学院で開講されているコースの出願基準には、大きく「大学時の専攻」と「関連する職務経験」という最も重要な2つの要素がありますので、その二つを注意深く確認し、出願校を選ぶ必要があります。まとめると、もし大学時代の専攻もキャリアチェンジしたい内容と関係がない場合、「関連する職歴もなく、関連する学士号も持っていない状態」で出願をすることになります。もし関連する学士号を持っていれば、「関連する職歴はないが大学時代の専攻は関連している状態」となりますので、門戸は十分開かれているといえるでしょう。なぜなら、特に欧州の大学院に多く見られる傾向ですが、実務経験(職歴)よりも『「大学時代の専攻」の関連性を厳格に重視する審査スタイルが多いからです。